診療科・部門

Urology

泌尿器科

受付時間

時間

午前8:30~12:00(診察は9:00より)

午後14:00~16:00(土曜日は午前中のみ)

※初診受付 11:30迄 / 15:30迄

休日

日曜日・祝祭日、年末年始

迅速な診断を心掛け
治療法の選択は患者様の考えを重視します

男女問わず、腎、尿管、膀胱、更に男性においては、前立腺、尿道、精巣(睾丸)、陰茎等の尿路、生殖器を診療対象としております。治療方法の選択は皆様の考えが重要です。

2021年度手術実績

外来診察担当医表

   
午前 一般

真下

富田

【初診外来】

真下(予約制)

斉藤(浩)(第2・4・5)

齋藤(智)

岡村

櫻井

真下

岡村

【初診外来】

岡村

岩井

真下 (第1・3・4・5)

富田(第1・2・3・5)

(第2・4)

岩井

専門

創傷・排泄ケア
小笠原

【カテーテル】
真下

午後 一般

真下(予約制)

岡村

真下(予約制)

富田(予約制)

齋藤(智)(15:00迄)

真下

櫻井

富田

岡村

富田(予約制)

牧(15:00~)

専門
  • ・(予約制)とある医師の診療は予約制です。泌尿器科で診療を継続している方(再診)のみ予約が取れます。

外来診察担当医変更の情報はこちらよりご確認できます。
なお、急な変更もございますので、ご来院される前にお電話にてお問い合わせください。【 電話 027-261-5410(代表) 】

当院の診断の考え方

以下、日常接する頻度が多い、重要な疾患・症状についておおよその診療の考えをお話させていただきます。

排尿障害に関する訴え(下部尿路症状)

尿が出にくい、尿が近い(夜間を含む)、尿が漏れてしまう等の症状の原因は膀胱や前立腺(男性)のみならず、内科的な病気や不眠症と関連する事あります。
排尿障害がある方は、尿路感染症(膀胱炎、前立腺炎、腎盂腎炎)や膀胱結石の原因となることあります。残尿が多いと腎機能低下が生じることあります。
中高年の男性の場合、前立腺肥大症がある場合が多く、内服薬中心の治療を開始します。内服薬の治療で治療効果が不十分で、尿が出なくなった場合、カテーテルの使用や内視鏡手術も考慮します。
女性に多い頻尿(過活動膀胱)、失禁等についても診療対象となります。

尿路結石症

尿路結石症とは尿の通り道(腎臓 尿管 膀胱 尿道)にできた石の病気です。結石の症状は無症状であり、偶然検査で見つかることもあれば、背中・わき腹・下腹部に激しい痛みが出て見つかることもあります。
また、尿の濁りや血尿を認めることもあります。炎症を起こし熱が出る場合もあり、この場合はまず炎症を改善することが優先され、抗生剤投与や尿管ステント留置、腎瘻造設などを緊急で行うこともあります。治療としては小さい結石であれば内服薬などで対応しますが、結石の大きさが10mm以上の場合や10mm未満でも同じ場所から動かない場合には手術的治療が必要となり、体外衝撃波破砕術(ESWL)、経尿道的腎尿管砕石術(TUL)をおこないます。

体外衝撃波破砕術(ESWL)

体外から衝撃波を結石に当て細かく壊す治療です。この治療のメリットは、麻酔をすることなく鎮痛剤を使用して治療することが可能で1泊入院という手軽さです。当院では最新のドルニエ社製ESWL装置を導入しております。
体外衝撃波結石破砕治療の詳細はこちら

経尿道的腎尿管砕石術(TUL)

尿管の中に細い内視鏡を入れ、結石に直接ホルミウムレーザーを当てて細かく壊して、結石の破片を体外に取り除く手術です。 麻酔が必要なため4日間の入院となりますが、体外衝撃波破砕術(ESWL)では難しい2cm程度の大きな結石や硬い結石、多発する結石に対しても有効であり確実な治療です。 尿管内に内視鏡が挿入困難な場合は尿管ステントというチューブを留置した上での後日(1か月後)の治療となるため二期的となります。

悪性腫瘍(がん)

前立腺がん、膀胱腫瘍(がん)、腎腫瘍(がん)、腎盂尿管腫瘍(がん)、精巣腫瘍(がん)陰茎腫瘍(がん)が主な対象となります。放射線照射療法(体外照射)も可能で治療の選択が広いことも特徴です。

前立腺がん

早期前立腺がんは症状がありませんが、前立腺健診(PSA採血検査)による検診が一般的となり、早期がんと診断される方が多くなっています。
PSA高値の場合、前立腺触診所見、経直腸超音波検査等の所見を考慮し、がん確定に必要な前立腺生検(経会陰針生検、硬膜外麻酔)を行うことを本人と相談の上決定します。
早期前立腺がんが発見された場合の治療法は以下となり、併用することもあります。

  • 1. 定期受診を前提とした無治療経過観察
  • 2. 男性ホルモンを低下させ、その働きを抑えて前立腺がんを縮小させる内分泌療法(皮下注射+内服薬)
  • 3. 放射線療法(重粒子線治療等 放射線が可能な施設へ紹介となります)
  • 4. 手術療法(腹腔鏡による根治的前立腺摘出術)

それぞれの利点欠点を十分に説明し、治療法を選択して頂きます。

膀胱がん

膀胱がんは尿を貯めて排出する役割を持つ膀胱という臓器にできるがんです。男性は女性の約3倍、喫煙者は非喫煙者の2~3倍の発生率といわれています。自覚症状のない血尿が出た際には注意が必要です。膀胱がんの約80%は膀胱粘膜表面付近にできる表在性のものです。検査として超音波(エコー)や尿道よりカメラを挿入して観察する膀胱鏡があります。
当院では痛みの少ない軟性膀胱鏡を用いています。他には体内を詳しく調べるCTや磁石の作用を利用したMRIという画像検査があります。
最初の対応として診断と治療をかねた経尿道的膀胱腫瘍切除術をまず行います。下半身の麻酔で約1時間程度です。表在性の膀胱がんであればこの内視鏡的治療でほぼ根治的切除が期待できます。しかし膀胱内の再発は多く、再発する可能性が高い方には術後外来で抗がん剤やBCGという薬液を膀胱内に注入することもあります。他の臓器への転移はないものの膀胱内で進行した膀胱がん(膀胱の筋層以上に広がる浸潤性のもの)は内視鏡では完全には切除できないため、全身麻酔で行う膀胱全摘術が必要となります。この場合、尿をためる膀胱がなくなるため尿路変向術(回腸導管、代用膀胱など)という排尿路をあらたに作る手術も同時に行うため大きな手術となります。
転移がある場合やその可能性が高い場合(膀胱摘出の手術前後)に抗癌剤を点滴で投与することもあります。

腎がん

腎腫瘍はがんのことが多く、中でも腎細胞癌が一番多い組織型です。最近では、人間ドックや、検診などの際に腹部超音波検査(腹部エコー)で無症状で見つかるケースがあり、ほとんどが早期がんです。治療は摘出手術が第一選択です。早期の場合は完治率がとても高く、再発率10~30%前後です。腎周囲組織ごと摘出する全摘術と腫瘍を含めた一部を摘出する部分切除術があります。以前は開腹手術を行っていましたが、医療技術の進歩に伴い、最近では鏡視下による手術が低侵襲で盛んに行われています。 当院でも導入しています。小さい腫瘍の場合は部分切除術を行い、腎機能を温存しています。また転移のある進行がんでも、抗がん剤による長期生存も期待できるようになっています。腎腫瘍を疑われた場合は泌尿器科専門医に受診しましょう。

精巣腫瘍

精巣(睾丸)の無痛性の腫大で見つかることが多く、悪性のことがほとんどですが良性のケースもあります。触診と超音波(エコー)で充実性の腫瘍が容易に診断できます。 悪性の場合はがんのことが多いのですがリンパ腫などの組織型も存在します。
治療は摘出手術をまずは行います。組織診断を確定したのち、転移がないか全身検索して、追加治療が必要か検討します。悪性でも早期の場合が多いのですが、術後に転移することもまれにあり、しばらくは定期的に通院で経過観察、再発チェックを行います。
転移のある進行がんの場合は、抗がん剤治療、放射線療法、転移部位の摘出手術などを集学的に行います。
精巣の腫脹に気付いたら泌尿器科専門医に受診しましょう。

骨盤臓器脱

1つ以上の骨盤臓器が腟を膨隆させ、ヘルニア状に脱出することをいいます。 骨盤臓器は子宮、腟、腸、膀胱からなります。骨盤臓器脱はこれらの臓器を正しい位置に支える筋肉、靭帯、結合組織が弱くなって起こります。 異物感(何かが下りてくるような感じ)、重い感じ、排尿困難、排便困難、排尿や排便のために指で脱を整復させる必要があるなどの症状があります。長時間の立位後や歩行後、あるいは午後になると症状が強くなり、入浴中にピンポン玉のようなものが陰部に触れることで気づくこともあります。
治療としては、軽度であれば骨盤底筋体操にて症状の改善が期待できます。他に、保存的加療としてペッサリーリングや骨盤臓器脱サポーターなどがあります。また、保存的加療で改善しない、治療で適さない場合には手術も検討されます。
当院では、メッシュを用いた手術(腹腔鏡や経膣的手術)を中心に手術をおこなっております。

尿失禁

尿失禁とは自分の意志と関係なく尿が漏れてしまうことと定義づけされています。 40歳以上の日本人女性の44%にあるといわれ、実際に悩んでいる方は多いのですが、受診せずに我慢する方がほとんどです。
尿失禁には症状や原因により、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、溢流性尿失禁、機能性尿失禁に分けられます。当院では、問診や診察、排尿日誌や検査を行ないます。 治療は、軽い腹圧性尿失禁の場合には、骨盤底筋体操での改善が期待されます。肥満の方や急に太った方では、減量も有効です。薬で治療などの保存的加療で改善乏しい場合には、手術も適応になります。
切迫性尿失禁の治療では、抗コリン薬やβ3(ベータスリー)受容体作動薬などの薬物療法が有効です。飲水コントロールや骨盤底筋体操、膀胱訓練などの行動療法を併用します。